オトナの恋を教えてください
「俺のことは好きに呼んで」


「はい、では柏木さんでお願いします」


柏木さんが片眉を上げ、変な顔をする。


「名前で呼ばなくていいの?」


「はい、いいんです」


私はニコニコ答えた。

柏木さんは距離を縮めてからにしたいみたいだけど、
私はあんまり距離を詰めすぎちゃいけない気がする。

柏木さんはあくまで私の反抗の共犯者。
私の初体験の契約者。

男性として好きになっちゃいけないから。

その日は、居酒屋で解散となった。






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