ずっと、傍にいてよねっ!
 「仲澤菜緒といいます。



 城山さん、いらっしゃいますか?




 お目通り願いたいんですけど。」




 私がそういうと、受付にいた女の人が不思議そうに聞いてきた。




 「お届けもの?」




 まさか、家出してきたことは言えない。




 「まぁ、そんなところです。父から小包を預かっていまして。」




 あ、やってしまった。




 「預かりますよ。受付からお渡しします。」



 ほら、もっと他の口実を考えておけばよかった。




 「いえ、直接渡すように言われていますので。

 

 電話でアポもとってますし。」



 …まぁ、言い訳なんていくらでも考えてあるけど。



 ここまで言ったら流石に通してくれる。



 予想通り、直接城山のおじさんに会いに行くことができた。
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