まだ、心の準備できてません!
トクン、とかすかに胸が鳴る。
その小さな嬉しさを、さらに大きくする一言を女子アナさんがくれる。
「番組を見た人が、マシロさんを気に入ってたくさん来てくれることを願ってます」
たとえ社交辞令でも、その言葉は私達にとって勇気付けられるものだった。
皆口々にお礼を言いながら店の外に出ると、笑顔で取材陣を見送る。
晴れやかな気分で冷たい空気を吸い込んでいると、浜名さんがぽつりと言う。
「これから時間がある時はグッドイブニング見るわ」
「私も」
私と阿部さんの声が重なり、声を上げて笑った。
そんな中、お父さんの声がしないことを不思議に思い振り向くと、彼はお店のドアに寄り掛かっている。
「お父さん?」
「撮影なんて一大事だったからな。終わったらちょっと気が抜けちまったよ」
軽い調子で言って笑うけれど、その姿は少し疲れているように見える。
営業して回ったり、パソコンと睨めっこしてる時間が増えたり、ここのところずっと忙しくしているもんね……。
「大丈夫? 少し休んだら?」
「全然平気だよ、心配するな」
私の頭にぽんと手を置いたお父さんは、ドアを開けながら明るい表情を見せる。
「オンエアは二十日だったよな。それも皆で見ようか」
「いいわね~。ていうか、商店街の皆が集まりそうじゃない?」
いつもと何も変わらない様子で話す皆に続いて、まだ若干心配を残したまま、私も中へ入った。
その小さな嬉しさを、さらに大きくする一言を女子アナさんがくれる。
「番組を見た人が、マシロさんを気に入ってたくさん来てくれることを願ってます」
たとえ社交辞令でも、その言葉は私達にとって勇気付けられるものだった。
皆口々にお礼を言いながら店の外に出ると、笑顔で取材陣を見送る。
晴れやかな気分で冷たい空気を吸い込んでいると、浜名さんがぽつりと言う。
「これから時間がある時はグッドイブニング見るわ」
「私も」
私と阿部さんの声が重なり、声を上げて笑った。
そんな中、お父さんの声がしないことを不思議に思い振り向くと、彼はお店のドアに寄り掛かっている。
「お父さん?」
「撮影なんて一大事だったからな。終わったらちょっと気が抜けちまったよ」
軽い調子で言って笑うけれど、その姿は少し疲れているように見える。
営業して回ったり、パソコンと睨めっこしてる時間が増えたり、ここのところずっと忙しくしているもんね……。
「大丈夫? 少し休んだら?」
「全然平気だよ、心配するな」
私の頭にぽんと手を置いたお父さんは、ドアを開けながら明るい表情を見せる。
「オンエアは二十日だったよな。それも皆で見ようか」
「いいわね~。ていうか、商店街の皆が集まりそうじゃない?」
いつもと何も変わらない様子で話す皆に続いて、まだ若干心配を残したまま、私も中へ入った。