そして私たちは大人になる

「だからね、よっちゃんは、もともと、私のものじゃなかったんだよ。わかってたけど。」


涙が溢れないように、

こぶしにそっと力を入れた。

3月はまだ、肌寒いのに

私の手は

少し汗をかいていた。


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