パンジーの花
二歩目

距離


七月も中旬。
もうすぐ夏休み。休みだーと意気込む生徒たちの声が私の耳を通す。

「夏休みかー。」

私が小さく呟いた。それをサボりから戻ってきたナオトくんが、耳を傾ける。
休みか。と嬉しそうに笑うナオトくんに、何かあるのかと問えば授業に出たくないらしい。大丈夫か高校生。

「ナオトくんは、授業サボってるから変わんないじゃないの。」
「ちげぇー。家でゴロゴロできんだろ。」
「あーたしかに。」

海から一見、私たちはいつもの距離に戻った。ただ、ナツキと柴田くんは一緒に帰ったりしてるみたいだけど。でも付き合ってないんだよね。そうナオトくんに伝えれば、苦笑いしていたけど。

「夏休みもみんなで遊びたいな。」
「あー…遊ぶか。」
「ナオトくんと柴田くん、部活は?」
「帰宅部。おまえらは?」
「私もナツキも帰宅部だよー。」

へえ。意外だな。そう笑うナオトくんに
夏休みも四人で遊べると思うと胸が高鳴る。

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