続・俺様専属メイド!?
「こっちこそ、聞いてくれてありがとう。杏のこと好きになって良かった」
あたしはそれ以上何も言えなくて、ただ大河に微笑み返した。
「じゃあ、先に帰って。俺は少しここに残るから」
「……分かった」
震えている声。
大河のそんな声を聞いたのは初めてで、あたしは悪いことをしているような気さえした。
でも、自分で決めたことだしこのままズルズルしてるのも良くないと思うしこれで良かったんだ。
けじめはつけたよ。
これからも自分に正直にはっきりと生きていく。
それが翔と一緒にいれることだと思うから。
自然に俯いていた顔を上げ、また前を向いて歩き出した。