「離れるの禁止って、言ったよね……っ」
「………好きに決まってんだろ、ボケ。
……そうじゃないと、いい加減訴えてるわ
ストーカー被害で」
最後は本当に滑らせた口のいいわけをした。
『………あ、りがとう、ござい、ます………』
「顔、赤いけど」
『そ、それはっ!伊織くんもです………』
「は?」
………僅かに自分の頬に手を触れると、
ほんの少しだけ熱い気がした。
「前田」
『はいっ!』
「……………離れるなよ」
『……っ、は、はいっ!』
END