公園であいましょう

 立ち上がったところで、なにができるわけでもないんだけど、、


 それでも、体の脇で、ぎゅっと拳を握りしめ、私は、思う。


  (このままでは、いけない、、)


 もしかして、あのなんでもお見通しの田辺さんなら、
 どうしたらいいか、お見通ししてくれるだろうか?

 でも、そうなると、すべてを田辺さんに話さなくてはならない。

 それは、、、恥ずかしい、、、


 はぁー

 私は、腰をまたすとんと落とした。


 
 自分がなさけない、、

 佐倉くんと再会したときは、23才だった私も

 ひとつ年をとって24才になった。

 佐倉くんと過ごした時は、大切なたからもの。

 ここで、あきらめて、すべてを失ってもいいの?

 そんなの、いやだ。

 だめだよ!

 そう思った私は、弾かれたように立ち上がった。

 立ち上がった勢いをそのままに、ズンズン歩いて
 給湯室で茶碗を片付けている田辺さんのところまでいくと

 はっきりと言った。



   「田辺さん、お話があります。」


 

 

 

 


 

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