公園であいましょう
(33)

 しばらくは、佐倉くんから連絡がこなくて(=部屋にいかなくてよい)
 助かっていたのに、今朝、呼び出しのメールを受け取ってしまった。

 何か理由をつけて断ろうか、、、でも、今日がよくてもその次は?
 ずっと逢わないわけにもいくまい。

 覚悟をきめて、佐倉くんのマンションに向かったものの、
 私は部屋の前で立ちつくしている。

 インターホンを押そうとのばした指を、何度引っ込めたことか、、、。

 何度めかにやっとインターホンを押し、ドアがガチャリと開けられるのと
 後ろから、




   「どちら様かしら?」



 と、声をかけられたのが同時だった。


 後ろをふりむくと、高級そうなスーツに身をつつんだ美しい女性がいて
 私の後ろをみて、ぱっと顔を輝かせると



   「佐倉くん!」



 と、そう叫んだ。



  (えっ?)


 女性の目線をたどって、前に向き直ると、ドアをあけて固まる
 佐倉くんがいる。



   「相沢さん、、、。」



 そう、佐倉くんの口が動いた。
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