公園であいましょう
   
 それきり、なんだか会話が途切れた。

私は、ぼんやり前を向いていたんだけど、隣りの佐倉くんは
 ガシガシ頭をかいてみたりして なんだか落ち着きがない。
 

 そして突然、


   
   「俺の顔みても、なんとも思わない?」 
 


  と聞いてきた。
 
 とっさには、何の事を聞かれたのかわからなかったけれど、私の顔はじょじょに赤くなっていく。


   
   「あっ、ああ、そりゃ、素敵になったと思うよ。
    だって昔はさ、無表情に黒ぶちメガネで、”不思議くん” 
    とかって言われてなかった?」


 
 なんとかそう言ったものの、心臓はバクバクする。
 なに? この妙な質問は?
 
 赤くなって、アワアワしている私をみて、佐倉くんは苦笑しながら


   
   「いや、そういうことじゃなくて、、、。」


 
 と、また頭をガシガシとかいた。


   「?」

   「あー、もういいや。」

 
 そう言ってこちらを見ると、今度はくすくす笑っている。


   
   「委員長ってかわんないなー。」

   「そ、そりゃ、色気ないですけど、一応、もう23才の大人であって、、、。」

 
 
 しどろもどろに言い返すと、佐倉くんはじっと私を見た。


   
   「俺としては、その方がいい。」

   「へっ?」

   「変わんない、委員長がいい。」


 
 そう言って微笑むから、だから、だから、たぶん私の頬はまっ赤だ。

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