公園であいましょう
(8)
 
 それから三日後。

 ”今日、逢える?”と、佐倉くんからメールが届いた。

 
 傘も返さなきゃいけなかったし、私は再び、公園にむかう。
 でも、もう逢うのはこれっきりにするつもりだった。
 
 
 (どうして佐倉くんに彼女がいるって、考えなかったんだろう。
  あんなに‘格好よくなったんだもの、彼女ぐらいいてあたりまえだよね)
 

   
   「ミキ、っていってたよね。」


 
 彼女は怒っていた。あたりまえだ。
 自分の知らない女性が、彼氏の部屋にいたら誰だって怒る。
 
 別に、私達はやましいことがあるわけじゃないけど、でも、でも
 私の中にやましい気持ちがなかったか?といわれたら、それは否とはいえない。
 
 佐倉くんと、どうこうなる自信なんか無いくせに、
 どこかで何かを期待している自分がいる。

 私はずるい。

 
 それに、それに、何より彼女がいる佐倉くんに逢うのは、、、、


   「やっぱり、つらいような気がする。」


 そんな事を考えながら、うつむいて歩いていたら
 知らぬ間に公園のベンチ前まできていた。


   
   「やあ。」


 変わらない笑顔で、ベンチに座った佐倉くんが、私を見上げてる。
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