公園であいましょう

  (俺のものって、、どういうこと?
   私が、、、、佐倉くん、何してるの?、、、)

 頭の中では、相変わらずいろんな言葉がぐるぐる回っているが
 ちっとも言葉になってでてこない。

 言葉のかわりに、涙がでてきた。

  (あれ、なぜ、私、泣いて、、、)


 ぽろぽろ、涙が、こぼれていく。

 なぜこんなに涙がこぼれるのか、わからなくて。
 
 でも、流れる涙が気持ちよくて。


 私が泣いていることに気づき、
 少し体を離して、私を見た佐倉くんが、



   「あー、もう、くそっ。」



 と怒ったような声をだすから、私はびくっとなって
 彼の顔を見上げる。

 おどろいて、涙も止まっちゃった。

 
 すると、唇にやわらかいものが触れた。

 瞬間、何がおこったのかわからなくて、

 でも、佐倉くんの唇が自分の唇にふれているのだとわかったら
 頭がジンとしびれてきた。

 じんわりとした暖かさが唇から体中にひろがっていく。

 信じられない。
 
 佐倉くんに抱きしめられて、その上、キスされてるなんて。

 佐倉くんの中に私なんて存在してないと思ってた。
 
 でも、そうじゃないと佐倉くんのキスが教えてくれる。
< 85 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop