月だけが見ていた
海中のクラゲのように、ゆらゆらと彷徨っていた私の意識は
ゆっくりと時間をかけて、戻ってきた。


「すっげーよく寝てた。」


くくっ、と小さな笑い声が
すぐ隣から聞こえた。

誰かの肩に頭を預けて眠っていたらしい。
寝起きの頭でボンヤリと理解する。



「っ、」



ハッと我に返って 勢いよく体を起こすと



「つ…かさくん…」


「おはよ。」
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