月だけが見ていた

司くんの絞り出されたような声を聞いた瞬間
私の涙は、堰を切って溢れ出した。


「なん、で……っ」

「…うん」

「…好きだったのに…」

「……うん」


どうしても出てこない言葉の代わりに
涙が後から後から流れて、司くんの肩を濡らした。



「ごめん……」



違う

謝るのは 私の方なの
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