覚醒
俺は「うん」も「ごめんな」も
言うことが出来なかった。


次の日からずっと絵里は来なかった。


「加世~絵里どうしたの?」
純粋そうな子が一ノ瀬に聞いている。


「あ~あいつ?塾にいられなく
なったんだよ。悪いこと
しちゃったんだって~」


俺は一ノ瀬が何を言っているのか
すぐ理解できなかった。


それを理解できた時、一ノ瀬を
ぶん殴ってこの場から
追い出したいほどだった。



あいつのせいで俺らは・・・
あいつのせいで絵里が・・・
そう思うだけでゾッとした。



俺は絵里を愛せてた?



暑い夏、俺は大切な人を失った。
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