労苦
人間たちにやらせてもらえませんか?」


「そうですね。……分かりました。では、お手並みを拝見いたしましょう」


 口ではそう言っておいても、実際捜査が始まれば、動くのだ。


 思っていた。


 ここにいる捜査員だけでは、神宗会にぶつかって行っても潰されるだけだと。


 いずれ警視庁の人間たちが動き出す。


 それを待つつもりでいた。


 いつも気長だ。


 何かあっても、じっと待つ。


 忍耐強さがあった。


 局面が切り替わるまで。


 そういったことを心得ているから、強かった。


 いずれゴーサインが出れば、行動を開始する。




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