労苦
第20章
     20
 その日も午後六時過ぎに帰庁し、一課のフロアへと戻った。


 警視庁は大所帯だ。


 キャリア、準キャリア、ノンキャリアのいずれのデカもいて、日々事件捜査や都内の治安の安定などに身を入れている。


 俺たちは各々デスクに座り、パソコンに向かってキーを叩き始めた。


 キャリアでも俺のように出世できない人間は、ずっと下働きだ。


 本来警部職にいれば、それ相応の仕事は回ってくるだろうに、きつい仕事、地味な仕事に狩り出されるばかりである。


 土曜の勤務が終わり、午後九時過ぎに警視庁を出て、地下鉄で帰った。


 電車に揺られながら、帰宅する。


 眠気が差した。


 さすがに一日踏ん張っていると。


 そして日曜の朝も、晴海に送り出され、通常通り出勤する。



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