労苦
第47章
     47
 その日も午後6時過ぎまで南新宿署の帳場で話をして、その後、帰庁した。


 心身ともに疲れているのだが、捜査は続く。


 確かに俺たちがやっていることは地味だ。


 だが、そういったものの積み重ねで、必ず事件が解決へと導かれる。


 そう思えば、遣り甲斐があった。


 靴底をすり減らして戦うつもりだ。


 その夜も警視庁の捜査一課フロアで残務をこなし、午後9時を回る頃には建物を出た。


 秋らしく、夜風が冷たい。


 背広を羽織り、寒さを凌ぐ。


 10月も終わりに近い。


 もうすぐ冬になる。


 また冷える季節到来だ。




< 382 / 666 >

この作品をシェア

pagetop