労苦
第54章
     54
 その日も午後6時を回る頃には署を出て、車を停めている駐車場へ歩いていく。


 乗り込み、エンジンを掛けた。


 そのままアクセルを踏み込み、発進させる。


 思っていた。


 早く三原を殺害したホシを挙げたいと。
 

 事件は長期化している。


 さすがにこのままダラダラと長引けば、まずいことになりそうだ。


 そう感じていて、身が引き締まる思いでいた。


 橋村も感じているだろう。


 同じ刑事として。


 警視庁に帰り着き、一課のフロア内で残務をこなす。


 多数の警官がいて、ざわついている。




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