労苦
 と言ったので、


「ああ、いずれ見つかりますよ。……あの人間も所詮一監察官であり、人間です。必ず逮捕されますよ」


 と返した。


 そして軽く息をつく。


 コーヒーを飲み、喉の渇きを潤した。


 冬場で空気が乾燥している。


 帳場には暖房が付けられ、石川がリモコンで加湿のボタンを押す。


 加湿が設定され、しばらくすると、喉の調子がだいぶ楽になった。


 ずっと話し続ける。


 これも捜査の一環だ。


 所轄の捜査員と情報交換し合うということが、である。


 腹の内で思っていた。


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