労苦
第57章
     57
 その日も午後6時過ぎまで石川と話をした後、署を出て、駐車場に停めていた車に乗り込む。


 そして警視庁へと走らせた。


 体は疲れ切っている。


 だが、帰庁しても仕事は残っていた。


 一際形式的なのだが、捜査報告などは付けている。 


 デカとしての仕事をきちんと続けていた。


 たとえ地味であったにしても。


 警視庁十階の捜査一課フロアには大勢の捜査員がいて、忙しく立ち働いている。


 橋村と一緒に入り、パソコンに向かった。


 スタンバイ状態のマシーンには、MPDのロゴが映っている。


 キーを叩きながら、残務をこなした。


 その日も午後9時を回る頃には建物を後にし、自宅に帰る。



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