労苦
「梶間さん、このまま街を見回りますか?」


 と言ってきたので、


「ああ、そうしよう」


 と返す。


 歩き続けた。


 慌ただしい街を。


 今年も暮れていく。


 無事に年を越せたらいい。


 そう思っていた。


 まあ、事件も越年してしまうと、何かときついのだが……。


 それに新年からもこのヤマを追いかけなければ――と思うと、プレッシャーがある。


 もちろん、暇はない。


 刑事事件を追うデカは、ホシを捕まえるまで動くのだ。
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