労苦
第63章
     63
 その日も南新宿の街を歩き、各所を見て回る。


 事件捜査に地味さは必要だ。


 デカならいくらでも歩数で稼ぐ。


 まあ、橋村はまだ若いから、多少乱暴な手を使っても付いてくる。


 互いにコンビを組み、捜査に勤しんでいて、違和感はない。


 そしてまた時が経ち、2015年も終わった。


 年末は仕事が終わってから、晴海の待つ自宅に戻り、妻の作った年越しそばを啜る。


 無事年を越し、正月もまた通常通り出勤した。


 殺人事件を抱え込んでいるので、休みはない。


 元日から桜田門に行っていた。


 三箇日最終日である1月3日も橋村と共に警視庁に行き、勤務する。


 疲れはあった。



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