労苦
第77章
     77
 その日も午後6時ぐらいまで街を歩いた後、車に乗り込み、警視庁へと向かう。


 疲れていた。


 だが、仕事は残っている。


 帰庁し、捜査一課のフロアに戻って、残務をこなした。


 そして午後9時過ぎには本部庁舎を出る。


 桜田門駅から地下鉄に乗って帰宅した。


 いつも単調だ。


 同じことの繰り返しで。


 でも、社会人としての仕事など、どれも似たり寄ったりである。


 少なくとも俺はそう感じていた。


 人によって、とらえ方が違うのだろうが……。


 また時が経つ。



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