労苦
第82章
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 その日も前田と話をした後、午後6時には所轄の帳場を出、停めている車へと歩き出す。


 疲れていたのだが、橋村が助手席に滑り込むと、俺の方も運転席に座った。


 そして車両を出す。


 エンジンを掛け、ハンドルを握って、アクセルを踏み込んだ。


 そのまま、警視庁へと向かう。


 また残務がある。


 帰庁し、十階の捜査一課フロアへ戻った。


 パソコンがスタンバイ状態になっていたので、作動させて、キーを叩く。


 まあ、人間、何もないことはない。


 絶えず考える。


 苦しいのだが、日々何とか踏ん張った。


 帰宅すれば、晴海が出迎えてくれる。



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