労苦
第87章
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 街を歩き、足が棒になったように痛むと、その日は撤収した。


 午後6時には車で新宿区を出る。


 そして帰庁した。


 疲れていたのだが、一課のフロアに戻り、残っていた仕事をこなす。


 相変わらず仕事量は多い。


 残務を終え、午後9時には建物を出て、桜田門駅へと歩き出す。


 地下鉄に乗り、自宅へと戻った。


 晴海が出迎えてくれ、夕食を共にした後、いつものように混浴し、体の疲れを取る。


 そして寝室で寄り添って眠った。


 いつも苦労ばかり掛けている。


 だが、妻は文句一つ言わない。


 だから、俺も晴海を心から愛するのだった。
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