労苦
 黙っていることが多い。


 橋村もコーヒーを口にしながら、手元でスマホを弄っている。


 お互い沈黙を守った。


 そして俺の方が、


「所轄の帳場も進展がないだろうな」


 と言うと、橋村が、


「まあ、そうでしょうね。俺も気にしてませんが」
 

 と返す。


 当山と池上、それに田無は神宗会の構成員同士で繋がっている。


 そしてその三者にクラブ経営者の内田晶夫が加わった。


 この四人に何かがある。


 俺も橋村も知らないところで。


 考え続けていた。



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