東堂くんは喋らない。
私の気持ちはいつも見透かされているような気がするのに、東堂くんの気持ちはいつも見えなくて。
それはただ単に私がバカなだけなのか…私がバカなだけなのか……。
きっとそんな疑問をぶつけたら、彼は即答で「そうだけど?」なんて返してきそうだけど、今までで一番近い距離に、私は逆に戸惑ってしまう。
変な緊張感とどうしようもないむず痒さを感じながら、強くひかれるままに人混みを歩いた。
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