東堂くんは喋らない。
東堂くんと、知らない感情。










「うぉおお~ッ!!!」




謎の雄叫びをあげながら山本がトップでゴールテープを切る!!ことはなかったが、我がチームは全体3位という好成績で代表リレーを終えることが出来た。



「やった~!」


「おっしゃァ~!」



戻ってきた山本と勢いよくハイタッチ!



夏海ちゃんともハイタッチを交わした。




「さすが夏海ちゃんっ!夏海ちゃんが2人もごぼう抜きしてくれたお陰だよ~っ!」



「いや…」




…あれ、なんか元気ない?




その時、ふと険しい顔してこちらに歩いてくる東堂くんの姿が見えた。




…えっ何であんなに険しい顔!?もしかして喜びを必死に噛み殺してるとか!?




「東堂く…」



呼びかけた私に東堂くんが応えることはなく



そのまま横をすり抜けていく。





…え…




「黒沢」




東堂くんが駆け寄ったのは、夏海ちゃんの傍だった。







< 222 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop