君に捧げる花束を



苦しくて涙まで滲んできた。






「……大丈夫?」





さすがの函南君も、あまりに立て続けに咳き込む清花の顔をのぞき込んだ。



「…んっ……大丈夫!…器官に変に入っちゃったの…ちょっとむせただけ!…じゃあまた明日ね!」





函南君から離れて…。





早足で駅に向かう。





そこでポケットから薬を取り出し、中の粉末を吸い込んだ。





電車に揺られて目を閉じていると、嘘みたいに呼吸も咳も楽になった。何度か呼吸を繰り返しても、変な音はしない。






大丈夫、大丈夫ーーー。



清花は胸に手をあてて微笑んだ。




そうだ、今日は久しぶりにあそこに行こう。



清花はいつも降りる駅とは違う駅に降りて、軽い足取りで目的地に向かっていった。






それから数日間ーー。



清花は体調不良で学校を休んだ。





四十四日目ーー。




君に会えなくて寂しいです。



< 117 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop