君に捧げる花束を









「あともーちょいだねー、体育祭!」





美乃莉ちゃんが清花の前の席にどさっとカバンをおいて髪の毛をかきあげた。



「体育祭の後って、いつも前髪がきしむからやーだぁーっ!」




鏡を見てつんつんと前髪を整えながら、渚波ちゃんが唇を尖らせながら言う。



もともとオシャレだったけど、彼氏ができてから輝かんばかりに可愛くなった渚波ちゃん。



そんなピンクのオーラを撒き散らしている渚波ちゃんを、じとっと睨む美乃莉ちゃん。






「そんなのスプレーで固めときゃいいでしょうがっ!」



「きゃーーっ!!」



美乃莉ちゃんが渚波ちゃんの、せっかくコームで整えた前髪をかき回してバサバサにした。






「じゃあーそろそろ帰るわー。韓ドラが始まる。」






野風がカバンを持ってすたこらと帰っていった。


今日はアンパンマ〇ではなく韓ドラらしい。



今やってる韓ドラに出てるチャンガンソクってかっこよくて、人気だもんね。


さすがイケメン美女好きな野風、粗探しにぬかりない。






そんなくだらない考えを脳内で展開しつつ、清花も皆から離れて下駄箱に向かっていた。



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