君に捧げる花束を



「私の事、知ってる…の?」








覚えているの…?という方が正しいのかもしれない。







私…芦屋清花(アシヤキヨカ)は遥か上にある二つの瞳を、期待を込めてまじまじと見上げた。








その視線の先には、高校三年生にして初めて同じクラスになった、函南唯人(カンナミユイト)君。







さらさらの黒髪が麗らかな陽気に照らされてきらきら輝いている。



にきびなどない滑らかな肌、やや伏し目がちになっているせいで、長過ぎるまつ毛が、頬に影を落としていた。




空は晴れ渡っていて、雲に遮られることのない日差しが直接ふたりに降り注いでいる。







それが眩しいのか、二重だけど切れ目がちの涼やかな瞳が細められていて。








物静かだけど、にじみ出る品の良さがいっそう彼の端正な顔立ちを際立たせていた。











「………さあ。」

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