ナナ色Heart
「蓮が大切なんでしょう?なら、私に渡すべきよ。私の愛の大きさで、彼を包み込んで見せるわ。その内、彼だって私の愛を受け入れるに決まってる。私といるのが彼の幸せよ」

「玲哉と真朝だって、守られる。さあ、約束なさい!蓮と別れるって。そうね……明日まで待ってあげるわ。明日、この時間にここで待ってる。それまでに、自分の心に決着をつけるのね」

彼女はそう言うと、トンとテーブルから降りて髪を揺らした。

「このこと、他言したら……分かってるわね」

彼女はガチャッと鍵を開けると、ドアを開けて振り返った。

「じゃあ、明日ね」

あたしは、ひとりになった薄暗い部屋に呆然と立ち尽くした。

悪い夢を見ているなら、今すぐ覚めて欲しいと思いながら。
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