ナナ色Heart
「実は、彼と別れちゃって」

あたしがそう言うと、玲哉君は、眉を寄せた。

「それって……山内蓮ってヤツ?」

彼の声は固かった。

あたしは、ドキッとした。

そういえば、有紗さんが言ってた。

玲哉君に、あたしを怖がらせた後、『蓮に近付くな』って、警告させる気だったって。

……玲哉君は、知ってるんだ『山内蓮』という名前を。

じゃあ、あの時、あたしを助けたのが、山内蓮だって知ってるんだろうか。

わかんない。

あたしは慌てて首を横に振った。

「山内蓮って、あたしと同じ学校だけど、付き合ってないよ」
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