ナナ色Heart
「背中だけじゃないぜ。どーしてくれんだ、この手首」

「あ……!」

手首も、熱を帯びているみたいに赤くなって腫れていた。

「重ね重ね、本当にすみません!!」

あたしは彼から飛び退くと、深々と頭を下げた。

それから小さな声で彼に言った。

「あの、病院、行きましょう。あたし、付き添います」

すると彼はフーッと息をはいてから呆れたように言った。

「もう八時半だぞ、開いてねーし。救急って程でもねーわ」

あ……。

「それに、折れてる訳じゃねーから、平気」

あたしはホッとして、力を抜いた。
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