ナナ色Heart
山内君は苦しそうに眉を寄せた。

沈黙が広がる。

気まずくなって俯いた時、山内君がポツンと呟いた。

「残念だったな……玲哉ってやつの彼女」

「うん……玲哉君がね、真朝さんは、あたしと気が合いそうだって。……話がしてみたかったよ」

「……そっか……」

あたし達は赤く色づいた空を見上げた。

「ナナ……お前の気持ちが落ち着いてからでいいから、一度ゆっくり話さないか?」

山内君は、綺麗な眼で真っ直ぐあたしを見つめて、静かにこう言った。

……確かに、色んな事があった。

お互いに誤解があった部分や、気持ちのすれ違いもあった。

それを未だに話し合ってないし、なにより、これからあたし達はどうするのかを決めなきゃならない。
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