ナナ色Heart

ライバル

それから数日が過ぎたが、篠田來気は、校内でナナを見かけては駆け寄り、何だかんだと話をしているらしかった。

「山内君さー、平気なわけ?今ナナ、サッカー部行ったよ?買い出しの手伝いとかで」

は?

聞いてねーし。

俺はナナの親友、冨永真央をチラッと横目で見た。

「あいつ、何でサッカー部の買い出しなんか手伝ってんの?」

「マネージャーが二人、休んでるらしいよ。で、高田果奈さんがナナに頼んだみたい」

「ふうん」

俺は、さして興味がないといった風に返事をした。

すると冨永は大袈裟に眉をあげて、俺を見上げた。
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