ナナ色Heart
あたしが靴を履いて、ドキドキとうるさい心臓をなんとか落ち着かせた時、寝ぼけ状態から完全に覚醒した山内君は、爽やかな声で言った。

「お前、何食べたい?」

斜め上からあたしを見下ろした瞳が優しかったから、あたしも微笑んで山内君を見た。

「なに、あたしの意見も聞いてくれるの?」

「たまにはな」

「じゃあ、ハンバーグか、ピザ!」

「ピザにしよーぜ」

「あれ、あたしが決めていーんじゃなかったの?」

「手ぇつないでやるから、ピザにしとけ」

言うなり山内君はあたしの手を掴んで、自分の指と一本ずつ交互にしてつないだ。

こ、これって。
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