絶望の闇と希望の光
********

――――ようやくか。

どのぐらい歩いただろう。長い道のりも終わり、白く大きな建物が見える。
だが、その前に門がある。

俺はその門の前に着いていた。


――にしても。。

ふと後ろを振り返り、左右の樹を見る。

―――やはり、この樹は普通の樹ではない。

この一直線に続く道を歩く際、あることに気づいたのだ。
道を挟むように立ち並ぶ大きな樹、この樹は僅(わず)かではあるものの、魔力を少しずつ吸っている。

俺の魔力も少しずつではあるが、吸われていた。

なんのためにこの樹があるのかは分からないが、俺は何事もなく、この道を歩ききった。

それだけでも、良しとするか。


「ほう。この道を難なく歩ききったか」

突然低く冷徹な声が聞こえた。

と、その時いきなり1つの人影が現れる。

そこにはある男が居た。
赤髪のウルフヘアー、朱と黒の甲冑(かっちゅう)を身に着けており、腰には聖剣であろう、武器が携えてある。


―――ただ者ではない……!出来るな。

直感だが、ただの聖騎士では無さそうだ。

完全警戒体制に入った俺は剣の柄を握り、赤髪聖騎士をきりっと睨む。

「あんた、何者だ」


時間が止まっているかのようだった。
張り詰めた空気の中、俺はただ相手の行動を待っていた。

答えるなら斬らん。

答えない場合は、、斬る。

その2択のどちらか……。

「そうか。貴様は私のことを知らんか」


俺の殺気をなにも気に咎めてないかのように笑う赤髪聖騎士……。

「私はここ"フリージア鍛練所"の聖騎士長を勤めている、ボルジャック・ユリーシア」















< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

死神が守り神
蘭泉/著

総文字数/0

その他0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
高波 誠也(たかなみ せいや)、16歳。 どこにでもいる普通の高校生。 たが、彼には普通じゃないとこがある。 ―――極度なインドア派なのだ。 学校では周りから好き放題言われ、いじめられながら通っていたためか、彼には友達が居ない。 そのため彼は極度なインドア派となる。 太陽の日光が大の苦手で外が大嫌いなのだ。 そんな彼が普通の一時を過ごしていた頃… 彼は隣に誰かが居ると思い、隣を見ると… 目の前に大きく鋭い鎌を持ちフードを被った若々しい死神。 死神の名前はイメス。
イグニス武神録
蘭泉/著

総文字数/2

ファンタジー1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
未編集
神々への不信
蘭泉/著

総文字数/6,803

ファンタジー9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
遥か南にあるスールズ村 そこで出会った青年と美少女 過去最大の規模を誇っていた王国 サリザン王国第一皇女 リオネ・マリウェル × スールズ村の住人に 周りからの期待と信頼が厚い ジョセフ・カーバルツ 戦闘訓練はアリだが、、戦闘経験なし、技なし、殺したことなし……。 そんな青年ジョセフが一人の美少女を守るため、剣を取り立ち上がる! リオネを取り巻く組織、そして国。 そんな危険も省みず、ジョセフはリオネに仇なす者達に立ち向かう! 組織と国がリオネを狙う目的は!? 戦闘経験が全くないジョセフに勝ち目はあるのか!? 全てが明かされるとき…… 青年の隠された力が目覚める。 果たして―― ジョセフはリオネを守ることが ―――出来るのだろうか! そして、神の魔神の謎の具物"神創"と"魔創"の事実が明かされる!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop