藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
私は藤くんだけでなく麻美さんにさえも花火大会での影山修二とその弟遭遇の件について話すことができないでいた。


それは言葉には表し難いが、両親の話をしだした時のあの空気感。
身の上話を自分からし始めたにも関わらず、一方的にバリアを張られた気がした。
これ以上踏む込むな……という。


まぁ私には関係ないことだ。


私にとってはこの関連の噂さえなくなれば、それはなくしてもいい記憶だ。


私はそう考えながら、フルーツオレを飲み干そうとストローに口をつけながら紙パックを潰しかけた。



その時。



「川嶋さん、ちょっといい?」






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