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Elevator Girl

野の花の 如き清しき君なりき 
  愛しくて 我 ただ頬を赤らめる....

エレベータ・モニターのアルバイトをしながら、僕は
どういう訳か、偶然みかけた彼女に、恋してしまったようだった。

それで、メモ用紙にこんな走り書き。

隣で見ていたバイト仲間のSは、「なんか可愛いな、この子」
なんて言いながら...

やっぱりメモ用紙に5線をさっ、と引き、歌詞を連ねている。

生まれたての 朝
  若葉萌ゆりて 零れるように...

コード・ネームは Fm7-Em7-Dm7-Cm7と

バグルスの「ラジオスターの悲劇」みたいなシンプルなコード。

メロディがすらすらと書き加えられて。

ちょっと見、コクトー・ツインズのように見える。

「それ、いいんじゃない?」と僕。

Sはにっこりと笑い「うん、Icebrink Luckみたいな弦を入れるかな」
なんて....

僕らは、この街を見下ろす大学の3回生。

僕は文学部、Sは理工学部だが、僕等は軽音楽サークルの仲間。
時々、駅前で路上演奏をしている。


僕等と彼女のきっかけは、こんなかんじだった....。



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