印堂 丈一郎の不可解な生活
まるで吹き荒れる暴風。

ベナルを中心に竜巻…いや、嵐が起きているみたい。

事実髪を靡かせるほどの風圧が起きている。

あんなもので打ち付けられたら、例え鍛え抜いた調息使いの体でもどうなる事か。

咢も雪城も、ひたすらに回避に専念している。

鍼や手裏剣を投擲した所で、あの嵐を打ち破れない事は明白。

なら無駄な投擲は、消耗にしかならない。

「大人しくなったものだな、調息使いども」

鎖の攻撃に加え。

「ぐぅっ!」

ベナルは左手の鉤爪も利用して攻撃を仕掛ける。

入り乱れる鎖と鉤爪の波状攻撃。

まともには食らわないものの、掠めるだけで咢と雪城の皮膚が剥がれ、肉が削がれていく。

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