印堂 丈一郎の不可解な生活
「だが」

丈一郎の自慢げな表情に水を差すように、お爺ちゃんが口を挟んだ。

「それで調息法免許皆伝という訳ではない。調息使いの経験も積まない君が、それで完全に調息法を体得したという訳ではないのだ」

「わかってるぜ爺さんよぉおぉ」

丈一郎は振り向き、ニカッと笑う。

「だけどこれで一応の所、調息は使えるようになったんだ、前みてぇな化け物が街中をうろついていても、ぶちのめしてやれるようにな!」

「……」

その事に間違いはない。

今の丈一郎なら、きっとグール程度なら一人で倒せるだけの力があるだろう。

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