女神の微笑み
ピンポーン
もう一度押してみた。
「はい」
男の声だ。
「そこにユミいるでしょ?開けてよ?」
「あ!アヤちゃん?待ってたよ、今開けるね」
そこは小綺麗ではあるがなんのへんてつもない、いわば普通のマンションの一室だった。キッチンがあり、その奥にはリビングが…
ユミがいた。
「ユミ?」
「アヤ待ってたんだよ!早くアヤもやってもらいなよ!本当気持ちいいよ!」
ざっと見たところいつものユミのままのようにも見える。
でもいつも以上に興奮して見えるのと、何よりおちつきがない。
「じゃぁアヤちゃんもやろっか」
ユミの横で落ち着きなく腰かけていたマサヒロが言った。
手に何かを持っている。
注射器…?
…麻薬?ここまでくれば、アヤでもわかるというものだ。
「えっ?…」
これにはアヤも戸惑う。
その時、後ろから誰かがアヤの左手を強く掴んだ。
拓也だ。
「何?ちょっと…!」
男の力には勝てない。それでも抵抗するべきか、そんな一瞬の迷いの間に、それを持つマサヒロの手が拓也に掴まれているアヤの手に伸びた。
刺すような一瞬の痛みもつかの間、体中に衝撃が走る。全身の毛穴が全て開くかのような感覚、体が今にも浮き上がりそうだ…気持ちいい
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