女神の微笑み
復讐を信じ、憎しみを力にしたために、今その力さえも失ったさくらは、ただ呆然と、今を生きていた。


ふとした時に思い出される、あの三人でいた頃の楽しい思い出も、今のさくらには、虚しいだけだった。


もう、あの時には決して戻れないから。

その頬をつたうはずの涙さえ、流れることはなかった。


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