テンポラリー・ジョブ
第2章

報告

リコール車の発覚から一週間が過ぎた。

ようやく、リコール車の件もかたづいてきた。

夜。 
大輔は、高島と二人で会社の喫煙室にいた。

今日もリーコル車の対応で、二人は疲れきっていた。

高島が販売機で冷えた缶コーヒーを二つ買って、ひとつは大輔に手渡した。

「ありがとうございます」
と、礼を言って、大輔は缶コーヒーを手にした。

二人はソファーに腰かけた。

お互いしばらく黙りこんで煙草を吸いながら、缶コーヒーを飲んだ。

「なぁ・・・松井」
突然、高島がつぶやくように言った。

「今回のことは、俺のミスだ」
高島が言った。

「高島さんの責任だなんて」

大輔は、今日も一日中、なぜブレーキにトラブルが起きたのか、静岡の富士見にある工場まで出向いて調べた。

そこで、本来使用するブレーキ部品の素材とは、異なるものを使ったことが原因であることがわかった。

その部品の車は数台しか作られていないこともわかり、ただちに回収して部品の取り替えをすることを会社は決定した。









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