君に二文字伝えるだけの簡単なこと


ぎゅっと、目をつぶり、ゆっくりと口を開く。



「…素直になれなくて、思ってもいないこと、言ってしまってごめんなさい。

本当は伝えたいことがあって、呼び出したの。



……私、野々村のことが、好き。


ずっと、好き、だったんだ。」



結果はどうあれ、やっと、言えた。

そう安堵した瞬間、ふわっと柔軟剤の良い香りがして。


気がつくと、野々村の腕の中。


< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop