幸せの結末
経理部に入ると一斉にみんなの視線が集まる。

『ご迷惑をおかけしました。』

頭を下げてから、経理部長と翔のところに行き挨拶をする。

経理部長は、

『体調悪いなら帰っていいからな。無理するなよ。』

と言ってくれたが、翔は

『さっきの間違ってた金額、訂正して持ってきて。』

と顔も上げずに言った。

私は、はいと小さく返事をして自分の席に戻った。

翔に言われた通り、金額を訂正し、それ以外の箇所も何度も確認してから、翔に書類を持っていく。

『課長。先程の分、訂正しました。ご迷惑をおかけしました。』

すると翔は、チラリと私を見てから、笑顔も見せず冷たい声で

『確認しておく。』

そう言って別の書類のチェックを続ける。

『よろしくお願いします。』

そう言って自分の席に戻るが、翔の冷たい態度に泣いてしまいそうだった。

ぐっと唇をかみしめ、仕事を続ける。

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