最高の恋の見つけ方
「絵里、俺は、今も、これからも、何があっても、絵里を愛し抜く。もしも、もうこれきり会うことがなかったとしても、それは変わらないから」



葵くんの甘くて、少し舌っ足らずの声。


「それが俺の、プライドだから」


少し間を置いて、葵くんは続ける。



「だから、俺のこと、もう一度選んでよ」



葵くんは、私に右手を差し出した。



反射的に、その手を取りたくなる。



でも、そんなことをしても、また同じことの繰り返しなんじゃないか、と思う。


そして私は、今は他の人のものなのだ。



目の前の葵くんのことは、こんなにもいとおしいのに、その手を取ることが、出来ない。



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