陽だまりの天使
全くのプライベートと言えば、一度ご飯の話が出て、好きな食べ物の話をした程度。

知り合い以上友人未満という立ち位置だと思っているので、いい雰囲気になっているとも言えないし、積極的にアプローチしているわけではないので、進展の目処は立っていない。

もやもやしている私の腕に少し体重をかけるように直美がため息をつく。

「あくまで業務連絡だっていうなら、また合コンするから行こ。諦めポイントを見つけて、次に進むことも大事だから、ね」

応援してくれるのかと思いきや、次を探すとも言う直美の切り替えの早さにいつも関心してしまう。

それにもしかしたら、もしかしない、と心のどこかで思っている現金な自分がいて、次の出会いにも積極的になれない。

「うん・・・そういう考えも大事かもしれないね」

はっきり参加を断りたかったけれど、断る理由が曖昧すぎて苦し紛れに土谷さんとの2次会を今更ながら引っ張り出してみる。

「そういえば、真帆から『鉄壁のガード。ありえない』って連絡あったけど、2次会は何があったの?直美は土谷さんのこともういいの?」

ここのところ、真帆も直美も勤務がすれ違いだったり、先輩が一緒だったりで、聞きそびれていた。
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